「先生!小指の腫れがとれなくて、ここの小節がうまくいかなんですよねー」とフランカちゃんが深刻な顔で言います。「ほら、右手と左手比べたら全然違うでしょ!? 感覚がないから、cis-disのところがはやくできないの」
8年生だから日本でいったら中2。細くて長い手首に続く右手の小指は紫色に腫れています。「手だけじゃなくて足にもこんなのができてるんです!」
すぐに注射のせいだと思いましたが、どうやって彼女に伝えるのかが微妙です。最近子どもたちにまで打たせる両親や医者が多いこと。かなり深刻に具合の悪い人や亡くなってしまう人が多いなか、打ってしまってから原因をそこに見いだすことを無意識に避けているんだと思います。
「それ、(ちくわんの)副作用かもよ~」と内心とは裏腹になるべく軽い調子で言ってみると、「えっ!!」としばらく考えてから「ひょっとしてそうかもしれない」といきなり深刻な顔になるフランカちゃん。
「(注射を投与した)病院の先生は認めないかもね。でも血が固まるのって典型的な副作用の一種らしいから、自分でネットで検索してごらんよ。」といっておきました。
小指が腫れるぐらいならいいけど、心臓や肺機能に障害の出るケースも多発しているようだ、というのは敢えて言いませんでした。若い彼女が無事であることを願うばかりです。